獅子舞の解説
獅子舞は日本全国にある最も種類の多い伝統芸能です。お正月、結婚披露宴、記念式典などに演じられる縁起物です。
由縁)
獅子舞は中国・インドから伝わり定着したと言われています。室町時代の後半に伊勢で疫病や飢饉を追い払うために、お正月に舞われたのがはじまりです。戦国時代から江戸時代にかけて日本全国に広がりその土地の獅子舞が発展していきました。その後、お正月だけではなくお祭りやお祝い事にお囃子と共に演じられるようになりました。
特徴)
獅子舞は、悪魔祓いや疫病退治の意味があり飢饉など回避するために演じられました。頭を激しく振って、歯をガタガタ言わせます。その様相に悪霊が退散して入れ替わりに良い気が流れ込んできます。人間の中にある悪魔(邪気)を払う意味もあります。獅子舞の演者は、皆様の邪気を払う代わりに自分自身に邪気を取り込んでしまうので終了後には塩で清めています。
獅子舞に頭を噛まれる)
頭を噛むことによって、人にとりついた邪気を食べてしまうといわれています。
悪魔祓い、疫病退治の意味があるため、悪いことや病気から守ってくれる良いご利益があります。語呂合わせで「獅子が噛みつくと神が付く」という縁起かつぎの意味もあります。
子供へのご利益)
子どもの場合は更に強いご利益があると言われています。獅子舞に子供の頭を噛んでもらうと厄除けの効果があり学力向上や無病息災、健やかで立派に成長すると考えられています。会場にお子さんがいる時には優先的に噛んでいきますが多くのお子さんが獅子舞を怖がり泣いてしまう子もいます。
獅子舞の種類)
獅子舞の種類には3つあります。
「風流系」と「伎楽(ぎがく)系」、そして「大陸系」です。
風流系
関東、東北地方などで多いタイプです。多くの方がイメージされる獅子舞です。
基本的に1人で1匹を動かし太鼓や篠笛のお囃子の演奏で舞われます。

伎楽系
主に西日本に見られるタイプです。2人以上で演じられ、胴体部分に入る人数によって、小獅子、中獅子、大獅子と呼ばれます。

写真は、富山県の城端曳山祭の(ユネスコ無形文化遺産・重要無形民俗文化財)で演じられた伎楽系の大獅子です。
大陸系
沖縄の民族芸能であり2名により演じられます。中国の獅子舞に近くアクロバティックな演舞が特徴です。
